奥出直人のJazz的生活


by naohito-okude

Inner City Jam Orchestra Party

9月5日(土) 渋谷「Halem」BX CAFEにInner City Jam Orchestraを聴きにいった。正確には9月6日午前2時からだ。「RYUDO(龍土)」というアルバムが出たのでそれを記念してのパーティである。

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音楽のジャンルはハウスである。ハウスというのはリズムマシーンで4つ打ちを行い、それにあわせてDJがいろいろと曲を重ねていく。曲の一部を切り取ってつなげていくことから、初めて出てきたときは伝統的な音楽家はおどろいて、リミックスとかいったり、引用の連鎖でパスティーシュとかシミュラークルとかいろいろことあげをしたが、DJが曲を極限まで短く引用したり一部を繰り返し前から後ろから繰り返したり(スクラッチ)してダンスフロアの音楽を作っていく。

場所は円山町にあるHarlemというクラブである。ライブ23時開場とあったのだが、一緒にいったマリさんが、ライブの時間を確かめてといいうので、バンドでキーボードを弾く高木里代子さんにメールしたところ、DJが続き、ライブは2時頃ということで、西麻布のよくいくバーで時間をつぶして、クラブに向かった。

で、演奏だが、前もってCDを聴いていて、曲や演奏にはなじんではいたのだが、ライブとして非常に良かった。2階にのぼって、手すりから演奏を聴いていたのだが、面白かった。旋律は日本的というかなじみのある旋律で、リズムは4つ打ちで早い。インプロビゼーションはジャズフレーズが適度に混じり、グルーブを引き出している。リズムも4つ打ちをダウンビートにしてピアノがこれも適度に裏、つまりハイハットのポイントでコード引きでリズムを入れていく。そしてバイオリン。サックスやエレクトリックギターのソロ引きが担うパートをエレクトリックバイオリンが担っている。リード楽器が持たなくてはいけない色気みたいなものが出ていて良かった。

ピアノの高木里代子はのりまくり、でもカワイイ顔の表情は崩さず弾き続けた。僕は一時間以上ずっと聴いていた。彼女は前に僕が教えていた慶應大学湘南藤沢キャンパスSFCの最近の卒業生である。大学の時には知らなかったのだが、卒業後いろいろなところでジャズピアノを弾いていて会うことが多い。下記がURLである。

http://blog.livedoor.jp/riyoko_piano/

アバンギャルドジャズをチック・コリアなどが飲み込んでフュージョンジャズを作り出したわけだが、その先がまた難しい。変拍子を盛り込んだりしてどんどん音楽性を高める動きがあれば、一方、ソウルやR&Bと区別が付かない方向に向かう流れもある。僕はこれも一つだなと思っている。クインシー・ジョーンンズが始めてヒップホップまでたどり着いた。ハウスに比べればリズムがゆっくりなのだが、グルーブの固まりだ。もう一つ、フュージョンが生み出した気持ちの良さを前面に出すスムースジャズが生まれるが、これはまあ何というか、聴いていてちょっと恥ずかしいところがある。ケニーGとかね。

でDJだが、これもまた面白い展開をしている。20世紀は様々な音楽経験が個人の中に凝縮されてきた世紀だと見ることが出来る。レコードに始まり、カセットテープ、CD、MP3と流れてきて、強大な経験のデーターベースを非常に多くの人が共有している状態だ。頭の中に記憶されている音楽の断片を瞬時に切り出してみせるDJとその基盤となっているハウス。4つ打ちにのせてあらゆる音楽がハウスのジャンルに含まれていく。4つ打ちのリズムにはスピードを合わせればおよそどんな種類の音楽でものせることができる。したがって、すでにある音楽を素材として、これはメタ素材だな、メタ素材として、それをつかって料理をするDJがいる。その音楽をいわば通奏低音として、演奏者がパフォーマンスを繰り広げる。


本来オーケストラ曲はそういった形で作曲されているわけだが、作曲家が長い期間をかけて技法を習得し、そのあとさらに、膨大な時間と手間をかけておこなう歴史と音色の積み上げである作曲を一瞬にして行うのがDJである。そうしてつくられた音楽の上に、メロディーとコードでキーボードとバイオリンが絡む。今晩のユニットの名前はインナーシティ・ジャム・オーケストラである。上手に名付けたものである。DJのオーケストラにキーボードとピアノがからみ、コンチェルトとなる。

ハウスのリズムにはどんな曲でも乗ることが出来る。したがって無数に近いジャンルのハウスがある。このバンドは和風ハウスだ。

うーん。エレクトリックにエフェクトをかけたソプラノサックスの活躍場所ではないか!!!ケニーGだけでは寂しいだろう!!サックス練習人として自戒を込めつつ。

高木里代子さんとの写真を載せておく。
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by naohito-okude | 2009-09-06 14:32 | Jazzライブ