奥出直人のJazz的生活


by naohito-okude

カテゴリ:旅( 3 )

シンガポールに来ている。雑誌に2010年シンガポールの見所という紹介があって、丁寧に観ていたら今のシンガポールがとてもよく分かった。大規模に都市開発が行われていて、一方でポップカルチャーからアート、クラッシック音楽までいろいろな動きがある。雑誌はTime Outという。
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下記に100を紹介する。URLをつけておいたので、クリックするだけでシンガポールの今がかなり楽しく理解できる。

来年したいこと100

1:Battlestar Galacticaに乗りたい

http://www.rwsentosa.com/
2010年にできるシンガポールの新しいファミリーリゾートの新しいライドに乗りたい。この開発は大規模ですごいなあ。

2: Food
Jai Ho!というインドのポテトサラダを食べたい

3:Food

Willi Lowの新しいレストランで食事をしたい
Willi Lowは弁護士からコックになった。

http://www.wildrocket.com.sg/

サイトを見るとかなりいい感じ。

4:お買い物
新しいショッピングモール、Mandarin Galleryで買い物をしたい。

http://www.oue.com.sg/

5:旅行

Jetstarでアジアを旅したい。
www.jetstar.com/sg
飛行機旅行のイメージを大きく変えているジェトスター。たしかにこの会社をつかって旅をしてみたい。

6:街角

第2回シンガポール入れ墨大会
Web見あたらず。

7:映画

デザイン映画フェスティバル
建築から写真に至るまで様々なデザインに関する映画の上映会。

http://www.designfilmfestival.com/singapore/
かなり面白そう。

8:音楽
パンクバンドGreenDayを聞きにいきたい。
http://www.greenday.com
これはともかく、チケットは下記から買う。

www.sistic.com.sg
シンガポールのチケット会社。
見てるだけでも面白い。

9:音楽
The Killerを聞きに行きたい。
http://www.thekillersmusic.com/

10:音楽
Mosaic Festival に行きたい。
シンガポールのもっとも評判のいい音楽イベントである。
htpp://www.mosaicmusicfestival.com.sg
ここで紹介されているミュージシャンは豪華。
http://www.mosaicmusicfestival.com/2010/microsite/hmc_breakestra.html
3月に10日ほどだが、なんだか凄いのがくるなあ。

11:パフォーマンス

M1 Singapore Fringe Festivalに行きたい。
様々なこころみをするフェスティバル。
www.singaporefringe.com
最初の挨拶の所を読むと、順番にちゃんと読んでくれよ、と言っている。メッセージ性が強いね。

12:パフォーマンス
Simply Ballroomに行きたい。
ステージで華々しくダンスが展開される。
場所はインドアスタジアム
http://www.sis.gov.sg/
いろいろなイベントがあって楽しそうだ。

13から15:こんなデジタルガジェットが欲しい
Video Games
Xbox, PS3, Wii
まあこの辺はかわらず。
Tablet computers

3D television
あまり期待は出来ないね。

人気が出てきている界隈を紹介しよう Hit the hip 'hoods'

16: North Sembawang
http://en.wikipedia.org/wiki/Sembawang

地下鉄の駅が出来て、そのまわりに高層のアパートが建つという形で住宅地が展開している。

17: North-East: Punggol
http://en.wikipedia.org/wiki/Punggol
1997年の経済危機以来開発が止まっていたが、再開された。シンガポールでIT技術者など高度な職業について働く外国からの若い夫婦が子育てをしながら生活を始めている。シンガポールの国籍が取れたらローンを借りて別の所に家を建てたい、という希望を持っていたりする。

18: North-West: Bukit Panjang
http://en.wikipedia.org/wiki/Bukit_Panjang

19: Central: Little India
一番人気が出てきている。
http://en.wikipedia.org/wiki/Little_India,_Singapore

リトルインディアは古い街区。ここに注目が集まっているのは面白い。シンガポールは肉体労働の多くを外国人に依存しているが、多くのお手伝いさんも外国人だ。彼女たちが休日にあつまるのもリトルインディアである。

20: パフォーマンス

Sexy Magic/Urban Illusionに行きたい
手品からストリップまで盛りだくさんのショー。
http://www.stjamespowerstation.com/
上記の会社はシンガポールに14カ所ライブハウスをもっていて独自にショーを展開している。じっくり見るとなかなか面白い。

21:スポーツ
Safra Aventuraに参加したい。
スポーツ大会
http://www3.safra.sg/
会員制のクラブが主催する大会。

22:Time In テレビ番組

SingTelのmioパッケージが欲しい。
テレビ放送が終わった後も番組を見ることが出来るサービス。
http://mio.singtel.com/miotv/#coverage
テレコム会社のサービスの試みとして、おもしろい。

23:Time In

HBOに加入したい
http://www.hbo.com/
HBOのサービスも随分と充実してきている。
日本じゃ分からない。

24:旅行

Tigar Airwaysに乗りたい
シンガポールから香港まで38シンガポールドル

http://www.tigerairways.com/
リージョナルジェット。この感覚をはやく理解しないとなあ。


25:街角

Chingay Paradeを見たい。
コスチュームを着て、踊りながらパレードをする。
http://www.chingay.org.sg/
派手な催し物だ。規模も大きい。


26:KIDS

Safari Zoo Runに参加したい。
シンガポール動物園で走ろうという催し。
http://www.safarizoorun.com.sg/
結構大きなイベントだ。

27:音楽

MUSEを聞きに行きたい。
http://muse.mu/

28:アート
UOB最優秀賞を見に行きたい。

29:映画

The Substation主催実験映画祭を見に行きたい。
http://www.substation.org
The substationは独立系のアートプロデュース団体で活動に注目していきたい。

30:KIDS

リゾートワールドSentosaのKids Clubに行きたい。
http://www.rwsentosa.com/
来年オープニングのリゾートワールド。前にも紹介した。2010年にオープンする大規模開発。

31:パフォーマンス

ジゼル(Giselle)を見に行きたい
シンガポール・バレー・シアターが公演をする。
http://www.singaporedancetheatre.com/
ヨーロッパの芸術とどのように折り合いをつけるか、注目だな。
場所はここ。クラッシック用。
http://www.vch.org.sg/

32:スポーツ

OCBC自転車大会に参加したい。
http://www.ocbc.cyclesingapore.com.sg/
これも大規模な市民イベント。

33:フード

Marina Bay Sandsの有名人シェフの料理が食べたい
世界中から6名の有名シェフがきて腕をふるう。
http://www.marinabaysands.com/
webをみたら建物のスケール感にびっくりすると思うが、カジノがはいって非常に派手である。この辺り一帯を堤防で囲い、淡水湖にする。そのことでシンガポールの水問題を解決する。その都市計画の一環としてつくったホテルである。2010年の開所。

34: ドリンク
あたらしいカクテルが飲みたい
http://www.prestigesing.com
この会社は面白い。お酒が好きな人にどのようにお酒を提供するかを考えているシンガポールの会社。

35:フード
Lazy Gourmentを試したい。
http://www.lazygourmet.com.sg/
レトルト食品の紹介。

36から41
音楽について。省略。

Hide and Eat
隠れ家的なお店を探そう

42:Sin Lee Coffeeshopで食事をしたい
かなりおいしそうだ。
場所が見つからない

43: Kuehs and Snacks
http://sparklette.net/food/kuehs-and-snacks/

44:Mooi Chin Placeで食べたい。

45:お買い物

2010 年オープニングのマニラベイでルイヴィトンを買いたい
マニラベイのヴィトンのお店は村上隆がフィーチャーされている日本の店に肩を並べる

46:旅行

Lon Lin Pengの新しいホテルに泊まりたい。
格好いいブティックホテルがリトルインディアに登場した。
情報が確認できていない。

47:街角

Duble Helix Bridgeが出来たので見に行きたい。

48: KIDS

マダガスカルへの旅に行きたい。
デズニー映画の「マダガスカル」が体験できる。
http://www.rwsentosa.com/
で。

49: 音楽

新しいコンサートの会場が出来る。
http://www.rwsentosa.com/

50:アート
普通の人でも購入できるアートが必要
情報なし。

51: 本
専用のシェフが欲しい
Ryan Hongが料理本を出す予定だという。
http://www.ryanhong.com/
このサイトもいい感じだ。

52から61
Marina Bay SandsResort World Sentosaの比較。
2010年はこの二つの大規模施設が稼働を開始する。

62:買い物
Parco@Milliniaでお買い物がしたい。

http://www.milleniawalk.com/
情報がうまく確認できない

63:旅行

ブッティックホテルが開業したのでとまってみたい。
http://www.harrys.com.sg/
シンガポールで30店舗を超えるバーやレストランを展開している会社がブティックホテルを準備している。

64: ナイトライフ

Gilles PetersonのWorld Wide Festivalという催し物を聞きに行きたい。

http://www.worldwidefestival.com/
なんだか不思議なグループ。

65: スポーツ

Martial Combatを見たい
Resort World Sentosaで格闘技の大大会がある。

66: 旅行

Mr.&Mrs Smithのガイドブックを読みたい。
誠実でユーモアに富んだホテルガイドブックがシンガポール地域をカバーする。
http://www.mrandmrssmith.com/
彼らはブティックホテルとラグジャリーホテル専門にレビューをする。
楽しそう。
日本にもまだきてないんだよね。

67: アート
写真展、CUT2010: New Photography from Southeast Asia
Parallel Universeを見に行きたい
http://www.vwfa.net/sg/

68: KIDS
動物園を探検する5日間のキャンプに参加したい。

http://www.zoo.com.sg/
シンガポールの動物園は相当楽しい。

69: Music

IMG Artists が主催するコンサートに行きたい。
http://www.imgartists.com/
IMGはアートマネージメントの会社。

70: クラッシック音楽

ロシアのピアニスト Katya Grinevaのコンサートに行きたい。

www.esplanade.com
この会場が凄いね。
場所のURLは下記。
http://www.esplanade.com/about_the_centre/index.jsp
行かなくては。

71: スポーツ

2010年ワールドカップを見たい。
スポーツバーでワールドカップサッカーを楽しもう。

72: フード

1-Raffles placeで食事をしたい。
http://www.onerochester.com
ここはなんとも気持ちの落ち着くレストラン。
このグループがCBDに進出してシンガポールで一番高いビルの最上階にレストランを構えるという。どうなるか。

73:街角

iFlyを試してみたい。
http://www.iflysingapore.com/
これは凄い。世界最大のスカイダイビングシュミレーター。本当に空中に浮かぶ。

74: 街角

Cable Carに乗りたい。
山の上にあるレストランJweley Boxに行くケーブルカーが修理中。なので復帰したらケーブルカーでレストランに行きたい。

http://www.mountfaber.com.sg/

75: 街角

園芸フェスティバルに行きたい
htpp://www.singaporegardenfestival.com
とても楽しそうなサイトである。

76: クラシック音楽
シンガポール大統領 SRナサンが支援をする若い音楽家のためのコンサートに行きたい。
SSO大統領による若い音楽家達のコンサート

http://www.sso.org.sg/

77: パフォーマンス

メルボルンインターナショナルコメディフェスティバルに行きたい。
6年ぷりにシンガポールに来る。非常に面白くて人気があって、チケットはすぐに売りきれる。はやめに。

http://www.substation.org
独立系のアートグループが公演をプロデュースしている。

78: パフォーマンス

Fried Rice Paradiseにいきたい。
ちょっと前のミュージカルが再演される。

79:〜81: フェスティバル情報
割愛

82: スポーツ

Youth Olympic Gamesを見に行きたい。
シンガポールで初めて開かれる。
http://www.singapore2010.sg/
かなり力の入ったWEB。

83:街角
シンガポールF1
これは大変。いかなくちゃ。
http://www.singaporegp.org/

84:アート
Singapore International Photography Festival に参加したい。
http://sipf.sg/web/

85: スポーツ

YMCA International Fencing Cupを観たい
http://www.ymca.org.sg/Web/main.aspx?ID=c1ddfe88-db14-4515-8aaa-c31deae3b4be,,&TargetPageID

86: パフォーマンス
眠れる森の美女(Sleeping Beauty)を見に行きたい。
http://www.singaporedancetheatre.com

87: 街角
犬用の公園がショッピングモールに用意されるそうだ。

88: 街角
第3回シンガポールおもちゃ、ゲーム、コミック大会に行きたい。
http://www.singaporetgcc.com/
これはとても楽しそうだ。

89:街角
Woodlands Promenadeに行きたい。
2010年に出来る1.5Kの海辺の散歩道。
http://www.ura.gov.sg
URA (Urban Redevelopment Authority)は変貌する現在のシンガポールを知るには注目しておくべき組織なのだが、ずっとWebのアクセスがうまくいかない。

90:街角

Fullerton Heritageにホテルが出来て、最上の水辺の眺めだという。
予約したい。
http://www.ura.gov.sg

91:街角
Urban Planningに興味がある

ScapeGRIDという名前のメディアをつくって、若者が「検閲」されるまえのコンテンツを発信できるようにした。ここにはアートギャラリーやレコーディングスタジオ、ダンススタジオもある。
http://www.scape.com.sg/
若者向けの場所の紹介。面白い。

92:街角
IONの屋上で空を観ながらパーティをしたい。
芸能人とかお金持ち専用パーティ会場。
http://www.ionorchard.com/
IONはオーチャード通りに2009年に出来たデジタルサイネージのかたまりの新しいショッピングモール。

93: アート

5 Sec Facesという写真展に行きたい。
http://www.flickr.com/photos/fivesecfaces

シンガポールのストリートで撮った写真展。出版の話もある。

94: アート

Marina Bayに出来るシンガポールで最初のアートパークに行きたい。

http://www.ura.gov.sg

95: アート
女性詩人の朗読のライブに行きたい。
http://www.scwo.org.sg/
スポンサーはシンガポールの女性の活動を支援する団体。しっかりとした組織。

96:パフォーマンス
Le Voyage de la Vieに行きたい
シルク・ド・ソレイユに対する極東からの答え。Resort World Sentosaで2010年の年末に。
http://www.rwsentosa.com/

97:パフォーマンス

FireSongsに行きたい。
Multi-sensaory, ubiquitous, geophysically?
なんだか不思議なミュージカルのようだ。2010年後半。

98:パフォーマンス
Comedy Club Asia
シンガポールの漫談の舞台。
http://www.thecomedyclub.asia/

99: パフォーマンス
The Substationの新しいディレクターに会いたい
シンガポールの独立系のアートプロデュース集団であるThe Suubstationの代表が新しくなった。
http://www.substation.org/

100: Time In

シンガポールで初めて作られた3Dアニメによるテレビ番組The Tritansを観たい。
2010年の終わりごろの予定。

以上である。いまのシンガポール事情経験してもらえただろうか。
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by naohito-okude | 2009-12-20 09:07 |

シンガポール文化事情

10月11日 日曜日

The Sunday Timesシンガポールの新聞を読む。

いろんな記事があり、時事関連は追い切れないので自分の興味のあるところをつまみ読み。

"Ochard Rd's right up my alley"

シンガポールの新聞Straits Timesのコピーライターとして一年半前にロンドンから夫婦と小さな子供(三歳)と移り住んできたLiam O'brien氏のコラム。シンガポールのオーチャード通りのような中心地を歩いているとストリートライフがない。乞食や酔っぱらいや物売りがいない。それは新参者にとっては不思議に見える。その理由はどうであれ、この現象はいいことではないかと思える。公共の場所をリラックスして楽しく散歩できることは素晴らしいことなのだ。人もゆっくりと歩いている。街の雰囲気がとてもいい感じだ。

国民の自由や権利をめぐっていろいろと人権上の問題をおこしてきたシンガポールだが、豊かになってみると、公共空間の質を維持した効果が出てきていると言うことなのかもしれないが、本当の意味で質の高い生活を提供できるかはこれからが勝負になる。シンガポールのあり方に関しては注目しておきたい。

”Bright lights in Little India"

シンガポールのリトルインディアでのヒンズー教のお正月にあたるディパバリ(Deepaval)、光の祭りとも言われる、が行われたという記事である。

シンガポールはアメリカの中西部の高級ショッピングモールのようなビルを沢山建てて、そのなかは英語が中心である。だが、その一方で民族文化と母語を維持する政策も採用している。

以下、下記のWebを参考にしならが自分のコメントも混ぜて書いておく。

http://www.kirihara-kyoiku.net/peripatos/06/02.html

 現在、シンガポール国民の民族構成は、中華系76.5%、マレー系13.8%、インド系8.1%、その他1.6%(外務省ホームページ)となっている。1965年、長かった植民地支配を脱して、独立した共和国となったシンガポールは、複合社会を解体して、新しい国づくりをすることが求められることになる。そこで東南アジアの一国家としての主体性を強調し、中国人でもインド人でもないシンガポーリアンとしての統一意識を育成していく必要が生じたのである。 言語生活に関しては、英語、マレー語、タミール語、華語を平等に公用語としながら、実際上では英語を共通語とし、それに各人の母語を組み合わせる、現在まで続く2言語政策がとられるようになった。

英語が共通語であって母語ではない、という背景に異なる文化圏の人間がコミュニケーションする、という欲求がある。さらにリー・カンユーの哲学として、その英語も「英国の英語」や「アメリカの英語」であっては、その言葉を母語とする人間にかなわないだけではなく、その文化に植民地化されることになるという信念がある。したがって、英語ばかりの社会に思えるが、日常生活は母語であるそれぞれの言葉を使っている。

1965年にはかなり革命的だった「誰のものでもない、我々のための英語」というこの哲学は、英語のグローバル化が進行する中で、多様な英語がある、という認識が生まれてきている中で‘Englishes’として理解を得ている。コミュニケーションのための言語であるから、小学校4年生の時に試験を行い、その成績で能力別に振り分けている。すべての公立校が英語校となっており、母語、社会、道徳の授業を除いて、数学を含み基本的に授業は英語で行われているという。従って、週48〜49時限のうち7〜8割は英語で授業が行われていることになる。英語に早くならさないと授業に支障をきたすため、小学1年のときから英語に多くの時間が割かれているわけで、その成果は、TOEFLの平均スコアが254で、アジア各国の中でインドと並んで1位2位を争っている。小学校でこれだけの英語の学習をしていれば、中学校、高校、大学と学年が進むにつれて、英語の比重が高まるわけだから、英語教育の先進国と呼ばれるのは当然と言えば当然だろう。

だが、たかが254点である。昔のTOEFLスコアであれば600点を少し超えたくらい。日本人がアメリカの大学院に留学してどうにかついていけるかいけないかぐらい。しかし、これは実はいいことであり、英語は母語になっていない、ということだ。英語は母語ではない、という意識を国民に持たせている言語政策はさすがだと思う。

もっとも、シンガポールが世界経済に影響を与えるだけの力を持ち、国際舞台で自己表現をするようになり、再びコミュニケーション問題に直面している。国内の複数の文化を持つ人間に英語という共通語を与え、そこで教育をおこない、ビジネスを構築してきたわけで、その社会で通用する「英語」が世界舞台に飛び出したわけである。そこで2000年にシンガポール英語が外国人に通用しないとの理由で、学校では正しい『標準英語』を教えるべきだとするSpeak Good English Movementが政策として導入された。2001年後半には、政府は早くも、小学校、中学校両方の新しいシラバスを発表した。文法指導を徹底するようになった。

僕は慶應義塾大学の社会学研究科の大学院の修士の時に鈴木孝夫先生に薫陶を受けた。植民地支配から免れているという幸福をすてて、英語を学ぶことでみずから自己植民地化している日本の知識人を徹底的に批判した鈴木先生の議論は一方で言語学者としての圧倒的な語学力にも支えられていた。自己のプライドを失わないでかつコスモポリタンとして世界でコミュニケーションを行うにはどうしたらいいのか、を考え抜いて 「Englic」論を展開した。30年ほど前だったともうが、強烈な批判が世界中からくるとともに、よく言ってくれたという意見もあった。そのとき、先生が授業で何度も繰り返し言及していたのは、シンガポールの言語政策だ。リー・カンユーはイギリスの大学に留学したエリートだ。彼はイギリス人のように英語を話す必要はないと主張する一方で、多民族が共存する国家のコミュニケーションの言語として「英語」を選んだ。イギリス人のものではない「英語」である。これがEnglishesである。鈴木先生のEnglicと同じ主張だ。

いまシンガポール国立大学と慶應義塾大学が共同でつくった研究所Cuteセンターで大学院生や若手の研究者を教えているが、インド、マレーシア、中国本土、台湾、インドネシア、スリランカ、アメリカ合衆国などから来た学生に何かを教えるには英語を使わざるを得ない。だがそれはEnglicでいいのだ。その英語レベルはTOEFLで600点以上、感じとしては630点くらいにはなる。だがこれは母語ではないのだ。まあこの程度では母語になりえないけれど、しっかりとした母語があって、コミュニケーションとしての英語なのだ。その一方で母語を英語にしない言語政策もしっかりとおこなった。このしたたかな態度がいまのシンガポールを作り上げたと言える。

もちろん、シンガポールにはかなりの英語の達人がいるし、流れているテレビ番組などを聴くと母語としての英語だなというものも多い。英語が母語になっているシンガポール人はかなりいる感じがする。だが、このこととシンガポールでビジネスをすることは直接には関係していない。多くの要人が母語ではない英語で仕事をしている。多様な民族が一緒になってなにかをおこなうとき、誰のものでもない英語がいかにすばらしいか。鈴木先生が30年前に指摘したあるべき姿だと思う。

シンガポールの言語政策はもう一度大きく変わる予兆を見せている。北京語をもう一つのコミュニケーションの言語として使う可能性の検討が始まっているのだ。これについてもいつかここで書いてみたい。

さて、話をリトルインディアに戻そう。インド系の人たちが街を形成していてる。お祭りのイルミネーションが美しく、お店が遅くまで開き多くの人が訪ねたという。だが、今年は売り上げはあまり上がらなかったという。

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http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Deepavali,_Little_India,_Singapore,_Oct_06.JPG
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by naohito-okude | 2009-10-14 17:36 |

日吉まで

9月6日日曜日

日吉の協生館でBRICKというベネッセとKMDとの共同研究の一部として小学生を集めてワークショップを行った。BRICKとは、 Benesse -> "Representation of Innovation and Creativity" <- Keioの略である。

Webでは、「デジタル時代の創造力と表現力を高める学習メソッド(方法論及び教材)とその評価モデル(評価軸と手法)を開発すること、またそれらのデファクト化と国際展開を図ることを目標に、2009年度新たにスタートしたKMDとベネッセの共同研究プロジェクト。2009年度はデジタル創造・表現ワークショップの展開と教材化および評価モデルの試験的開発をおこないます。」と説明してある。詳細は下記のURLを参考にしてもらいたい。

BRICK

様子を見にいこうと目黒・五反田を通って中原街道を車で行く。環状七号、八号とぬけて、丸子橋で多摩川を渡り、武蔵小杉、元住吉、日吉。協生館をながめながら、キャンパス内の駐車場に車を止める。
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目の前は慶應高校。設計は曽禰中條建築事務所。三田キャンパスの旧図書館もこの事務所の設計になる。古典主義のデザイン。だがコンクリート打ち放しのモダニズムの感じもするし、装飾はアールデコで、まあ折衷様式だな。37年前に卒業した母校である。
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協生館3階で行われていたBRICK創造性ワークショップをのぞく。一生懸命作業をしていた。


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by naohito-okude | 2009-09-08 15:12 |